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中間省略登記が直接移転売買と直接移転登記とで実質復活

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2007年5月21日 第641号

登記法改正と中間省略登記


登記簿にウソを記載してはいけません。法務省はより本当のことを登記簿に記載しようとして不動産登記法を改めました。

登記申請に際して、誰が誰から売買で買ったのか「相違ありません」という「登記原因証明情報」の提出を求めました。

これによりできなくなったのが中間省略登記です。

AがBに売り、BがCに転売したときに、登記はBを中抜きしAからCへ、売買による所有権移転登記をしていました。

法務局への登記申請書には「売主・買主」の記載はなく「登記義務者・権利者」の記載でした。ABCの三者でAからCへの登記に合意しAが権利証と印鑑証明を用意したのですから、義務者A・権利者Bは事実でした。A→B→Cの二回の売買でもBの登記が一回省略されて登録免許税が節税となります。登記実務で広く行われていました。


しかし「登記原因証明情報」が求められ「売主・買主」の記載が必須となったのです。売主A・買主Cの記載は明らかにウソです。司法書士はウソの書類を法務局に出せません。中間省略登記は不可となり登録免許税節税はできなくなりました。

日本では移転登記をしなくとも所有権移転します。つまり登記簿を信じてはいけないという登記制度です。「公信力がない」といいます。ならば登記など省略をしてもいいとも思います。しかしできなくなったのです。

直接移転売買で直接移転登記


さて所有権移転と売買とは法的には別ものです。ここにヒントがありました。A→B→Cとの売買の度に所有権移転するからいけないとある専門家が気づきました。A→B→Cの順で売買しても、所有権はA→Cに直接移ると契約すればいいのです。Bに所有権が移らないのならBは登記したくてもできません。

この仕組みを、内閣府の規制改革民間開放推進会議が後押し、法務省に認めさせました。

A→Bの売買では、売買代金授受をしても所有権移転はせず、その替わりにAはBの指定する人に対し所有権移転すると約定します。物件の引渡をしてカギも渡しても、所有権移転はしないと定めるのです。

そしてB→Cの売買ではその売買対象物はB所有物でなくA所有物です。Bにとっては他人所有物の売買ですが代金授受をします。そしてBは、AからCに所有権を直接移転させ登記させる、とCに対して約定します。

A→B、B→Cの二つの売買契約が成立しても、所有権移転はA→Cの一回だけになります。

法務局への「登記原因証明情報」にその通り書いてもウソはなく登録免許税節税になります。

この所有権直接移転売買による直接移転登記で中間省略登記は実質的に復活します。

Bは登記がないので登録免許税節税になりますが、Aが約束を守らず別人に登記移転してしまうというリスクを負います。


不動産取得税と宅建業法規制


更に不動産取得税節税の副次的効果を生んだといわれます。

従来の中間省略登記は登記の省略をしただけで、Bに所有権移転しました。そのため登記はなくともBに不動産取得税が課されました。新手法ではそもそもBには所有権移転せず、つまりBは取得しないのだから不動産取得税は課されないと言われています。税法が想定していない事態が起こります。実績はこれからでしょう。

宅建業法で、宅建業者は他人所有物の売買をしてはいけないと定めます。ただし例外としてその不動産を取得することが確実な場合として国交省が定めた場合はかまわないとも定めます。

この直接移転売買なら確実として国交省も例外として定めると言われています。そうなればBが宅建業者であっても堂々とこの手法で転売分譲を行えます。

なお二つの売買契約書に直接移転の旨の記載が必要ですので、当面は売買契約に先立っての司法書士の協力を仰ぎましょう。


中間省略登記の禁止…不動産登記法改正で登録免許税増税(2005年5月2日 第543号)




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