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昭和時代の負担付贈与節税…法人を使えば今も可能?

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2015年4月27日 第1022号

昭和時代の負担付贈与節税


親所有で相続税評価2億円の土地に、親が4億円全額借金で賃貸マンションを建築します。建物の相続税評価は2億円です。

対策効果はどうでしょうか。

「土地2億円+建物2億円−借金4億円」のセットでゼロになりました(昔も今も同様です)。

しかし土地が値上がりすれば相続税は増大します。そこで子に贈与しゼロを確定させます。

贈与税も相続税評価で計算します。相続税評価ゼロの財産を贈与しても贈与税はゼロです。

「土地2億円+建物2億円−借金4億円」をワンセットにして贈与します。評価ゼロです。

負担(借金)を付けて贈与するから「負担付贈与」。相続税評価ゼロなら贈与税ゼロ。だからワンセット贈与なら贈与税ゼロ。


この贈与は土地建物をその評価4億円で売買するのと同じです。現金4億円を受け取るのも、借金4億円を負担してもらうのも同じですから。だから別名「評価額売買」と言われ、贈与でも売却と見なされ譲渡税課税です。

譲渡所得を計算します。土地取得原価は5%の1000万円です。

収入金額4億円−(建物原価4億円+土地原価1000万円)で、1000万円の赤字となります。

以前は譲渡所得の赤字は不動産所得や給与所得の黒字と損益通算可でした。給与所得1000万円なら源泉税全額還付です。譲渡税課税といっても還付なのです。青色申告なら繰越控除も可。

贈与税ゼロ、所得税はゼロどころか還付、それで億円単位の土地が親から子に移ります。

昭和バブル期に大規模実行された大胆節税スキーム、税務署も国税庁は烈火の如く怒ります。


通達規制で負担付贈与の終焉


「不動産の通常の取引価額と相続税評価額との開きに着目しての贈与税の税負担回避行為に対して税負担の公平を図る」と平成元年に規制されます。

負担付贈与は相続税評価ではなく時価で贈与税課税をします。

土地建物の負担付贈与(及び個人間の対価ある取引全て)は、相続税評価(路線価等)ではなく、時価(通常の取引価額)や建築費(減価償却後)を基準に贈与税の課税をするのです。

「土地2億円+建物2億円−借金4億円」のワンセットは、「土地時価(例えば)3億円+建物建築費4億円−借金4億円」と評価されることになり3億円への贈与税課税となったのです。

(貸家建付等評価、元金返済、減価償却等は無視。以下同様。)

負担付贈与の終焉でした。

すぐにバブル崩壊で、相続税は激減し節税は忘れ去られ、この「負担付贈与」は過去のものとなりました。しかし最近、不動産と相続税が注目されます。

負担付贈与「のようなもの」


法人を使えば「負担付贈与のようなもの」が可能です。

親が現金3億円出資し会社設立します。親が100%株主です。

会社は4億円を借金し、7億円の物件を取得します。内訳は土地3億円(相続税評価2億円)と建物4億円(相続税評価2億円)です。

(会社が親の土地を3億円で買い、借金4億円で建物建築しても同結果です。ただし親は3億円の売却なので譲渡税課税。現物出資でも譲渡税課税です。)

そして会社の全株式を子に贈与するのです。株式の相続税評価に対し贈与税が課されます。

株式の相続税評価は複雑ですが基本は財産額。会社の土地建物等を相続税評価で計算します。

「土地2億円+建物2億円−借金4億円」なのでゼロ。親の現金3億円投じたのにゼロ評価。

言い換えると、時価3億円(=土地建物時価7億円−借金4億円)の会社の全株式を、贈与税ゼロで子に贈与できるのです。

ただし、法人所有の土地建物については、取得から3年間は、相続税評価ではなく時価(通常の取引価額)で評価されます。


3年間は「土地時価3億円+建物時価4億円−借金4億円」の評価3億円です。4年目になると「土地2億円+建物2億円−借金4億円」のゼロ評価になります。

4年目を待って贈与します。

4年後の税制など分かりません。そして、厳しい税務調査を覚悟の上での自己責任でどうぞ。



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