バードレポート

賃貸建物を会社所有にする…賃貸収益力の法人化

[1]一番上へ [2]前号 [3]次号
2015年5月4日 第1023号

子が同族会社を設立、親所有アパートの管理受託をし、家賃20%の管理料を受け取ります(又は本来家賃の80%で借上転貸)。この20%分を子の役員給与等とし所得分散と節税です。

外部の管理会社に託せば、管理料の世間相場は家賃の5-10%です。20%は確かに取り過ぎ。


しかし普通は20%までなら税務署は「修正申告しろ」と強硬に言わないことが多いようですが、争えば世間相場で課税です。

管理料の世間相場で課税処分


同族会社が親の貸ビルを家賃年5000万円で賃借し、年1億円でエンドの賃借人に転貸します。

つまり管理料は家賃の50%で、税務署は不適正だと課税処分。

税務署は一般の不動産管理会社の世間相場を調べます。借上転貸なら管理料10%でした。つまり世間相場9000万円なのです。

5000万円でなく9000万円で貸した(差額4000万円)とし、親に所得税課税処分をします。国税不服審判所も課税を認めました。

審判所の裁決文に「管理料は20%以内だと税務署から事前説明がなかったのがいけない」との納税者主張が記されています。

「20%までなら…」との交渉が税務調査であったのでしょうか。

管理料が家賃の100% (タダで同族会社に賃貸して転貸)の別物件もあり、全部まとめ世間相場の10%が適正とバッサリ課税されました(1994.6.24.裁決)。

法人の調査か、個人の調査か

「ウチなんか同族会社で何10%も取っているけど、税務調査OKだったよ」との声も聞きますが、それは運がいいだけ??

この裁決事例でも「同族会社への税務調査では指摘されなかったのに…」と納税者が主張したとありますが認められません。

会社への法人税調査で「適正家賃は5000万円でなく9000万円」と調査官が言えば、法人経費4000万円増で法人税還付です。そんなバカな調査官はいません。

親への所得税調査ではじめて「5000万円でなく9000万円」と調査官に指摘されるのです。

この管理料には「目安となる適正額等はない…個々の実態に応じて適切に取り扱うよう周知徹底されたい(2000.9.6.個別通達)」。だから「世間相場より随分高いですがどんな業務ですか」と税務調査で問われます。

調査前提に実態と記録を残します。基準は特にないとしても実務では20%超だと世間相場でバッサリと管理料否認の危険大。

わずか10%(外部管理会社に別途5%)なのにゼロとされたり(2006.6.13.裁決)、同様ケースでも業務記録があったのでOKとか(2013.3.4.裁決)様々です。

世間相場でバッサリなら、普通は管理委託で5%、借上転貸なら10%辺りで課税されます。

建物所有の法人化で所得分散


管理会社形態では金額も少額だし面倒。だから建物所有会社化、つまり建物を法人化します。

前記裁決事例は、高賃料立地での、築古で建築借入残が極めて少ない貸ビルと推測できます。

家賃年1億円なので当初建築費は10倍の10億円、今の帳簿価格3億円とします(全くの推測)。

会社が親の建物を3億円で買い取るのです。帳簿価格売買なら「時価での売買」とされ譲渡税や贈与税の心配は不要(消費税・登免税・取得税には注意)。

資金は銀行借入や親からの借金。売買代金分割払いでも可。

売買で建物を会社所有に移せば、年1億円の家賃全額は当然に会社のもの、そこから子が役員給与等を受け取れます。

売買は建物だけ。土地は親所有のまま。地代は固資税実費負担でもいいのですが、その3倍程にすれば親相続時の土地評価が8割評価に下がります。

賃貸収益力(賃貸物件)の法人化なのです。相続税対策ではなく、所得の分散移転対策です。

親が毎年1億円の家賃を取れば所得税率も高く相続財産が膨らむだけ。法人化で子に所得分散し、子はそれを貯金して将来の相続税の納税資金に備えます。


親に売買代金3億円が入るので建物相続評価次第では一時的に相続税が増減します。銀行借入があれば銀行交渉も必要です。

法人化でなく、建物だけ子個人へ贈与する選択肢もあります。

アパートの収益力を子に贈与する…建物贈与は収益力贈与 2011年10月24日 第854号



[1]一番上へ [2]前号 [3]次号
以下この記事の属する項目内明細…項目一覧は→項目一覧へ
項目:相続税対策申告
不動産の法人化
不動産の法人化
負担付贈与
2015年は相続税パニック前哨戦
相続ビジネス
相続税増税
再開発見込みの贈与
贈与税の時効
合名会社
タワーマンション相続税節税失敗事例
相続税取得費加算
広大地
相続土地への譲渡税非課税枠
同族株式贈与
年内の相続税対策
一般社団法人
売却予定地での賃貸住宅建築
毎年贈与で相続税対策
老人ホーム入居金への贈与税
相続直前出金への相続税
お墓や祭具への相続税
鳩山家の贈与税
子の借金を親が弁済した時の相続税
相続開始年分の贈与は相続税
相続税の連帯納付義務
建物贈与は収益力贈与
建物名義と相続税
取得費加算は遺産分割次第
相続税の取得費加算特例
2年連続の相続税大増税
贈与税脱税で逮捕
相続税対策ビジネスの視点(5)
相続税対策ビジネスの視点(4)
相続税対策ビジネスの視点(3)
相続税対策ビジネスの視点(2)
相続税対策ビジネスの視点(1)
相続数と相続税対策ビジネス
遺留分固定の中小企業経営承継円滑化法
農地の相続税納税猶予で農地貸付けは
相続税破産回避に売却換金
贈与額310万円で贈与税20万円
遺産取得課税方式
相続税の抜本改正
相続税は遺産取得課税方式
営業権への相続税株式評価
親の賃貸不動産。建物売買
贈与や親子間売買は年内
小規模宅地評価減は面積基礎控除
事業承継問題検討小委員会での遺留分
新聞報道「同族会社株の相続減税」
種類株式の相続税評価
保証債務履行が相続税対策
名義変更と贈与税課税
外国での生命保険金は一時所得
贈与税を払う相続税対策
バブル期の相続税対策
隠し録音テープで銀行相手の裁判
同族会社デットエクイティスワップ
相続税を意識した遺産分割協議
市街化区域内農地と小作料と離作料
終身定期金で相続税を減らす方法
賃貸建物贈与は負担付贈与に該当せず
相続税の連帯納付義務
相続税の必要経費化テクニック
遺留分放棄と相続時清算課税
清算課税贈与で賃貸建物の贈与
相続時精算課税と争族・破綻対策
相続時精算課税制度と資産家
不動産売買の引渡時期
代償分割と譲渡税
市街化区域拡大
古貸家の収益力
贈与税基礎控除の拡大
売却予定地は子供が相続
賃貸マンションは敷地次第
最高税率の引下げで相続税
市街地農地の耕作権
定期借家の相続評価
松下家と中内家の贈与戦略
相続税がかかるのか

項目:その他不動産関連
時効取得での名義変更

関連する項目
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
相続対策と遺産分割
相続税対策申告

このレポートと同じ年分リスト
2015年リスト

■バードレポートは1ケ月に8回発行で月額2500円(消費税別)のFAXレポートです。2年経過分をインターネット上に公開しています。

■最近の見本紙数回分をFAX情報ボックスから、あなたのFAXに取り出せます。

■FAX情報ボックス
自動応答電話03-5972-9569(途中で聞かれるボックス番号は「1番」です)へお電話いただき、メッセージに従い、送付先のFAX番号を指定して下さい。

■FAX配信のみです。mail配信していません。
メルマガふたつ

[1]この頁の一番上へ
[2]前号レポート
[3]次号レポート
[4]携帯メルマガ
[5]有料レポート
[6]発行元情報
[0]TOPページへ

■項目一覧リスト■
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版2001年
トピックス版2002年
トピックス版2003年
トピックス版2004年
トピックス版2005年
トピックス版2006年
トピックス版2007年
トピックス版2008年
トピックス版2009年
トピックス版2010年
トピックス版2011年
トピックス版2012年
トピックス版2013年
トピックス版2014年
トピックス版2015年
バードレポート以外
メルマガ2012年
メルマガ2013年
メルマガ2014年
カネボウ劇場
発行元情報

■同じ発行年分のリスト■
2015年リスト
[1]この頁の一番上へ
[2]前号レポート
[3]次号レポート
[4]携帯メルマガ
[5]有料レポート
[6]発行元情報
[0]TOPページへ