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改正前の相続税取得費加算で土地を法人所有に移す

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2015年5月11日 第1024号

土地は個人所有のまま貸家建物だけ法人に売却(又は法人が新築)。不動産の法人化です。

土地を移さないのは、登免税や取得税もありますが、譲渡税がネックだからです。売却なら税率20%の譲渡税です。

先祖代々の土地なら土地の原価(取得費)ゼロです。1億円で法人に売却すれば1900万円もの譲渡税(概算取得費5%)です。

建物だけなら簿価で売買すれば譲渡税は不要で済みます。

しかし譲渡税なしで法人に売却できるチャンスがあります。

「相続税の取得費加算」


相続開始から3年10ケ月内の相続土地売却なら相続税額を土地原価(取得費)に加算できます。

各1億円のA・B・C土地の計3億円を相続、各土地の相続税が3333万円で合計1億円です。

A土地を1億円で売却します。相続税1億円(=3土地全てへの税額)が原価に加算され売却益ゼロ。つまり売却益1億円までは譲渡税ゼロです。土地への相続税が1億円(相続人単位)なら1億円の非課税枠があるのです。

趣旨は相続税納税の為ですが、それは条件でなく延納や現金で納税済でも1億円非課税枠です。

しかし2015年1月相続分(売却分ではない)から、A土地売却なら非課税枠3333万円(A土地だけへの相続税額)に改正です。

2011年7月相続で3年10ケ月後は2015年5月。つまり2011年夏から2014年12月までに相続の地主さんは改正前税制が使えます。

非課税枠をまず算出し、それに見合う土地を法人化します。

何のための土地法人化か


前述のように建物だけなら容易なので、通常は建物だけ法人化します。(当レポート2015.5.4.「賃貸建物を会社所有にする…賃貸収益力の法人化」参照)。

敷地土地も法人化すればすっきりしますが、建物だけでも土地建物でも効果は大きく変わりません。どちらでも家賃全額が法人に入金するからです。大きく変わるのは次のような点です。

将来売却のための原価引上げ


A土地を今は売却しないが10年後には売却予定。10年後に1億円で売却として先祖代々土地なら原価ゼロで譲渡税1900万円。

その譲渡税を回避します。法人が1億円で買います。個人は譲渡税ゼロ売却です。10年後に法人が1億円で売却しますが法人の土地原価は1億円です。つまり売却益ゼロです。10年後の売却を税金ゼロにできるのです。

3年10ケ月内に法人に譲渡税ゼロで移転させる、それは原価ゼロの土地の原価を引上げ、原価1億円の土地に変えることです。言わば3年10ケ月の期限を半永久的に延長することです。

買換・交換特例での取得土地


買換特例等を適用した土地原価は税務上極めて低額です。上記の先祖代々土地売買手法で土地の原価を引き上げます。

相続税延納金利の経費化


1億円の相続税延納中。延納金利(利子税)は経費になりません。会社が1億円銀行借入でA土地を買います。譲渡税はゼロ、個人は相続税全額を金納します。

さて1億円の銀行借入の金利は土地購入のための借入なので会社の経費になります。つまり個人の延納金利の経費化です。

法人に迂回させて経費化できない金利の経費化をします。

贈与や生保での相続対策資金も同手法で経費化できます。


法人株式のゼロ評価贈与


土地時価1億円と土地上の賃貸建物簿価1億円とを、あわせて2億円で法人に売却します。

資金は、個人が現金出資した資本金1億円と銀行借入1億円。

会社の全株式を子に贈与します。会社財産の土地建物の相続税評価は貸家建付地評価と貸家評価で合計1億円程でしょう。

1億円なら相続税評価上の会社純資産は資産1億円と借入1億円でゼロ、つまり株価評価ゼロ。

ゼロなら全株式を子に贈与しても贈与税ゼロ。実際は現金1億円が投入された価値時価1億円の会社にもかかわらず、です。

なお法人所有の土地建物評価で路線価等を使えるのは4年目からです。4年目を待っての贈与です。(当レポート2015.4.27.「昭和時代の負担付贈与節税…法人を使えば今も可能?」参照)

2014年度税制改正…相続土地売却への相続税取得費加算改正 2014年1月13日 第960号



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